「国民生活基礎調査」(2019年)によれば、要介護認定を受けた世帯数は増えており、構成割合として「要介護4」はそのうち7.5%となっています。要介護4は、介助なしで立ったり歩いたりするのが難しい状態を指しますが、70歳を過ぎてから三度のエベレスト登頂や、86歳でアコンカグア登頂挑戦をしてきた冒険家・三浦雄一郎さんも、少し前まで「要介護4」の状況にあったそう。リハビリに励みながら、立てた「100歳の目標」とは――。
人生に「もう遅い」はない
「人生に、《もう遅い》はない」「人生はいつも今からがスタートだ」
私は、メディアの取材を受けたとき、講演会に登壇したとき、誰かに助言を求められたとき、この言葉を再三口にしてきた。
どんな状況に追い込まれても、何歳になっても、人間には生きている限り可能性があり、それを追求する権利があるということだ。
これは、私が身をもって体験してきたことである。
私は60歳のときに、冒険家、プロスキーヤーとして一度、引退を決めたことがあった。
「このあたりが引き際だろう。のんびり余生を楽しもう」
そのように考え、スキーと好きなゴルフをほどほどに楽しみながら、講演活動などを生業(なりわい)にして暮らしていこうとした。
それからの私は運動をやらなくなった。また、家でも外に出ても、好きなだけ食べて飲んでを繰り返した。パーティに呼ばれてはバイキングでカロリーの高い食べ物をバクバク食べ、ビールやワインで流し込んでいた。