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元気な体を維持するには、血管や骨、筋肉を健やかな状態に保つことが不可欠です。食事でそれらを強化するアイディアを、管理栄養士の本多京子さんが指南します(構成=上田恵子 イラスト=フジマツミキ)

今日食べたものが明日の体を作る

私もついに昨年、後期高齢者の仲間入りをしました。この年になると、実に多くの同世代の方が「食」に悩んでいることに気づかされます。

なかには「料理をするのが面倒で、簡単なものばかり食べている」という声もありますが、シニア世代こそ何を食べるかを大事にしたいもの。人の体は口にしたものでできていて、今日食べたものが明日の体を作るからです。

健康寿命を延ばすには、栄養バランスのとれた食事が欠かせません。食の世界では、入れ代わり立ち代わりさまざまな食材・栄養素が持てはやされますが、そのブームに踊らされないようにしてほしいですね。

凝ったものでなくていいので、五大栄養素(たんぱく質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラル)を摂ることを目指しましょう。

とはいえ、シニア世代は、筋肉を作るたんぱく質が不足しがち。筋肉は24時間、休みなく分解と合成を繰り返しているため、たんぱく質が不足して筋肉の分解だけが進むと、筋肉量はどんどん減少するのです。結果、虚弱の状態に陥りやすくなります。いわゆる「フレイル」ですね。