春夏秋冬、季節が変わるなかで、生きものたちはそれぞれの体の仕組みを活かして生活をしているそうです。そこで今回は、ベストセラー『ゾウの時間 ネズミの時間』の著者であり、「歌う生物学者」としても知られる本川達雄さんの著書『すごい生きもの春夏秋冬』より一部を抜粋して、誰かに話したくなる生物学の知識をお届けします。
シマリスの冬籠もり――冬眠で寿命が延びる?
二十四節気の第六十二候は「熊蟄穴(くまあなにこもる)」で12月中旬。冬眠は冬の季語。
冬眠する動物といって思いつくのはクマ、リス、カエル。
厳密に言うと、カエルは冬眠と言わずに「巣籠もり」や「越冬」と言い、「冬眠」は恒温動物限定で使います。クマもリスも恒温動物で、恒温動物が冬眠します。カエルは変温動物で、冬には体が冷え切り、体内の化学反応がほぼ止まったいわば仮死状態で冬を越します。それに対して恒温動物の冬眠は、体温は下がることは下がるのですが、カエルと違い体を冷えるにまかせっきりではありません。
恒温動物はふだん、周りの気温に関係なく体温を37度ほどに保ちますが、冬眠に入るとあえて体温をぐんと下げ、巣穴の中でじっとしています。
そうやってエネルギーを節約しているんですね。体温を下げれば外気温との差が小さくなって熱の逃げる量が減り、体温を保つためのエネルギーが減る。また筋肉は働きにくくなるし、体内の代謝速度も下がるからエネルギー使用量がぐんと減る。おかげでほとんど食べなくて済みます。冬眠は食べものの少ない冬を乗り切る手段です。