「今、娘は小学5年生で、女友達と2人で暮らしている感覚もある。基本的に仲良しで、娘は週に一度は3駅離れたパパ宅に泊まりにいく」(写真提供:青木さやかさん)
青木さやかさんの好評連載「47歳、おんな、今日のところは「……」として」ーー。青木さんが、47歳の今だからこそ綴れるエッセイ。母との関係についてふれた第1回「大嫌いだった母が遺した、手紙の中身」が話題になりました。第5回は「〈シングルマザー〉として」です。

離婚は遺伝だろうか

2007年に結婚、10年出産、12年離婚。

というわけで、シングルマザー歴8年になる。

自分をシングルマザーだと言ったのは初めて。好きな響きではないけれど、その言葉が今のところ日本ではわかりやすいでしょう。

今、娘は小学5年生で、女友達と2人で暮らしている感覚もある。基本的に仲良しで、娘は週に一度は3駅離れたパパ宅に泊まりにいく。3駅って遠からず近からずでいい距離感。

うちには、保護猫2匹と老トイプードルがいて、娘にとって兄弟のように生活している。私が動物たちを可愛がると、「ママは私よりネコを可愛がる」と拗ねるし、5年生まだまだ可愛い。

私の親も離婚していて、私も離婚した。遺伝性があるならば私で止まってくれることを切に願う。

私は親の離婚を猛烈に反対していた。親が離れ離れになることに恐怖を感じていた。いまあるものを失うのは怖かった。たとえ家の雰囲気がマイナスオーラに包まれていたとしても、離婚よりはマシだった。世間体を保ちたい、友達に言うのが恥ずかしい、という気持ちもおおいにあったと思う。結局反対希望は通らず、親は離婚し、父が家を出ていった。

あんなに怖がっていた父のいない生活だったが、いざスタートしてみると、さほど経たないうちに、あれ? 父がいた時ってどんなだったかな? と思い出せなくなった。