指がこわばって動かしにくい、腫れやしびれ、痛みがあるなど、人知れず悩んでいる女性が多い手指の不調。悪化すると、指の関節が固まって動かなくなるケースもあるので、しっかりケアしておきたいところ。原因と対策について専門医に聞きました(イラスト/小林マキ 取材・文・構成/岩田正恵《インパクト》 デザイン/米山和子《プッシュ》)
原因の一つは、家事などによる使い過ぎ
炊事、掃除、洗濯といった家事だけでなく、パソコン作業、スマートフォンでの情報検索やメッセージのやりとりなど、毎日フル回転している手指。小さなものがつまみにくくなったり、手首や指の関節がしびれたり痛んだり……。歳を重ねるにつれて、不調を感じることが増えてきたという人も多いのではないでしょうか。
「原因の一つは、使い過ぎです。女性は家事を担うことが多い分、不調が表れやすいのです。また近年は、更年期による女性ホルモンの分泌量の急激な変化の影響も指摘されています。事実、手指の不調で当院を受診する患者さんの8割は、更年期、もしくはそれ以降の女性です」と説明するのは、済生会横浜市東部病院の山部英行先生です。
手指の不調の典型的な疾患は、三つあるといいます。一つめは、手指の腱鞘炎です。悪化すると、指に力を入れた途端カクンと指がはねることから《ばね指》とも呼ばれます。
「手指を使い過ぎたり女性ホルモンが変化したりすると、腱の通り道である指のつけ根の腱鞘や腱を覆う滑膜が腫れて、腱がひっかかるように。親指は第一関節、その他の指は第二関節に症状が表れます」(山部先生。以下同)