なにごともさらりと、決して怒らず。「何ごとも喜ばなくちゃ損だもの。人生、楽しむためにあるから」とおだやかに微笑む、村上久子さん(95歳)(写真提供:すばる舎)

総務省の調べ(2022年)によると、日本の総人口に占める65歳以上の高齢者人口の割合は29.1%と過去最高。日本の高齢化はますます進んでいます。

静岡県浜松市の山間部にある、人口3500人ほどの町、春野町。子どもの声はほとんど聞こえず、過疎高齢化がすすむ町ではあるものの、出会うお年寄りたちはみんなとても元気。なぜでしょう?――95歳の村上久子さんは、きちんとおしゃれし、お化粧を欠かしません。毎日、克明な日記をつけているといいます。

いつもおしゃれし、笑みを絶やさない

「おいくつになりますか」

「あれ、何歳だったかいねー。自分の年は忘れてしまったわ」

「今年96歳ですね」

「あれぇ、そんなになるの。わたしびっくりしちゃうわ」

「いつも、お元気でツヤツヤしているし。すごいですねー。どうしてなんでしょうか」

「わからないけど、年は忘れてしまったわ。それと、なんにも悪いとこないし、まったく病気したことないの。ありがたいことよ」

と、いつもニッコリの笑顔。

村上久子さんは、大正15年生まれの95歳。私が経営するデイサービスの利用者さんだ。

火曜日から金曜日の4日間、利用してくださる。92歳の頃から、3年余りになる。

足腰はしっかりしており、杖は使わずに歩く。しっかりした足取りで、歩行介助は必要ない。血色も良く、ツヤツヤしている。見た目、80代だ。おしゃれな方で、デイサービスの日もきちんとおしゃれし、お化粧を欠かさない。