貧困家庭に生まれ、いじめや不登校を経験しながらも奨学金で高校、大学に進学、上京して書くという仕事についたヒオカさん。現在もアルバイトを続けながら、「無いものにされる痛みに想像力を」をモットーにライターとして活動をしている。ヒオカさんの父は定職に就くことも、人と関係を築くこともできなかったそうで、苦しんでいる姿を見るたび、胸が痛かったという。第37回は「未曾有の物価高、真っ先に削るのは食費」です。
じゃがいもが1個78円でぎょっとした
スーパーに行くと、じゃがいもが一個78円でぎょっとした。
前は38円、せいぜい40円超えるくらいだったのに。もう2倍じゃないか。
物価高の足音が聞こえ始めたのは昨年の後半だっただろうか。じわり、じわりと生活を侵食し始めた。そして、最近その影響は大きくなっているように感じてならない。
例えば生活に欠かせない水。水道水を飲んでいたこともあるが、引っ越した今の家は水が恐ろしくまずい。カルキ臭く、洗った鍋等が時間が経つと真っ白になる。なんとこれが煮沸したって臭い。安い浄水器はあてにならない。かといっていい浄水器は高い。だから2Lの水を買っている。ドラッグストアで一番安いものが68円程だった。それが数ヵ月前から80円くらいになった。
トイレットペーパーやアルコール入りの除菌ウェットティッシュなど、生活に必要な日用品も軒並み数十円ずつ値上がり。それだけではなく、ドラッグストアではサービスデイのポイントの倍率が引き下げられた。電気代の高騰で、店内の半分の照明は切られ、薄暗い。ポイント倍率の引き下げも苦肉の策なのだろう。