大変だけど達成感がある
まず、3LDKの間取りはおひとりさまには必要ないと1LDKに大幅変更。寝室以外は不要な壁を取り払って、広々したリビングキッチンを実現しました。大きな荷物も受け取れるよう、狭い玄関を2倍に広げ、季節を楽しむためのギャラリースペースも設けました。
トイレとお風呂をひと続きにすることで広くし、脱衣所も確保。そして、窓は全て二重サッシに。費用はかかりましたが、防音とカビ対策、電気代の節約効果もあるので、やっておいてよかったです。
かかったお金は通常のフルリノベーションの3分の2ぐらい。費用を抑えられたのは、地元の業者さんと資材や設備を比較検討し、よく話し合うことができたから。
口癖は「予算がないんです(笑)」「なくても困らないなら省きます」「これはDIYでもできますか」。業者さんが見かねて「オマケするからこれ使ってよ」と言ってくれる場面もありました。
本当に予算がないので、寝室の床はネット通販で購入したシートを自分で貼りました。洗面台も木枠だけ作ってもらい、あとは手作り。
100円ショップやホームセンターでタイルや資材を購入しました。照明やトイレットペーパーホルダーも、楽天市場やAmazonなどのネット通販で買ったものです。
お金のやりくりに頭を悩ませながら、ひとつひとつ自分で選んだもので築き上げた私らしい家。大変だけど達成感があります。
購入した物件がボロボロで住めない状態だったからこそ、決断できたフルリノベーション。その後の団地生活が快適になったことはもちろん、完成までの過程も楽しくてよい思い出です。なにが幸いするかわかりませんね。
※本稿は、『54歳おひとりさま。 古い団地で見つけた私らしい暮らし』(扶桑社)の一部を再編集したものです。
『54歳おひとりさま。 古い団地で見つけた私らしい暮らし』(著:きんの/扶桑社)
年齢を重ねる中で生じる不安と上手く付き合いながら、自分らしく過ごしていきたい人に向け、「理想とは違ったけれど、今の自分に満足しています」というきんのさんの日々のアイデアを公開。これからの暮らしを豊かにするためのヒントが詰まった一冊です。