劇団に入った7~8歳頃の風間少年(写真提供◎風間さん)

それで僕は割と可愛い顔をしてたもんだからすぐに売れて(笑)、翌年、「東映児童演劇研修所」に一期生として入所してからは、東映の映画にもよく出ました。

『江戸の悪太郎』っていう作品では、僕は長屋で母一人子一人で暮らしてる役で、隣で傘張りの内職をしている浪人が大友柳太朗さん。そのうち母親が悪い奴に手籠めにされて、殺されちゃうんですね。その仇討ちの助太刀をしてくれるのが大友先生で、斬られるのは俳優座の名優、三島雅夫さんでした。

大友先生にはものすごく可愛がられて、京都の御室にあったお屋敷に、歯ブラシとパジャマだけ持ってよく泊まりに行ってました。

先生の一人息子さんは僕の一個上なんだけど、彼の部屋中にレールが敷いてあって、模型の電車が走ってる。すげえな、と思いましたね。そのうち僕を、「この子を養子に」って話になったらしい。

だけど、その後、僕が30歳の時にテレビで大友先生と親子の役で再会したら、そのことは何も覚えていらっしゃらなかった(笑)。

だからまぁ、今もこうして役者を続けているということは、子供の時にお袋が児童劇団に無理やり入れたことが、第1の転機と言えるでしょうね。