中学は、受験勉強をして玉川学園中等部に進学。入ってみると、みんなと勉強するのがこんなに楽しいものなのか、と思ったとか。
――そうなんです。僕は東映の教育映画によく出てたんですけど、その頃まだ劇団民藝の研究生だった米倉斉加年さんが大学生の役で出てて、「君は将来役者になるつもりなら、児童劇団はすぐやめて学校で勉強しなさい。大人になってから改めて演技の勉強をし直さなきゃダメだ」って言われたのがずっと頭にあったんです。
それで中学に入ると、勉強って面白いなぁと思って、子役で学校休むのがもう嫌になっちゃった。
1年生の夏休み前に劇団やめると言ったら、劇団関係者からは「君惜しいよ、せっかく顔を覚えられたんだから、このまま行けば役者の道に進めるのに」と説得されました。でも、やめます、って言って。
自分を振り返ってみると、あそこで一度区切りをつけたのがよかったな、と思う。
だからちょっと早めだけど、第2の転機は児童劇団をやめたことですね。米倉さんが亡くなられる少し前にテレビで共演した時に、僕がその話をして感謝したんですけど、やっぱり覚えてなかったな。(笑)