重三郎の家族

蔦屋重三郎の父親は尾張(いまの愛知県西部)出身の丸山重助。母親は廣瀬津与といいます。母親は江戸生まれです。

残念なことに、重三郎の家族については、現在のところ、詳しく分かっていません。兄弟がいたのか一人っ子だったのかも不明です。ただ、吉原に生まれたということは、お父さんの丸山重助は、吉原で何かしらの仕事をしていたのだろうと予測できます。

『べらぼうに面白い 蔦屋重三郎』(著:ツタヤピロコ/興陽館)

叔父さんは吉原仲之町通りにある茶屋「駿河屋」の経営者で、義理のお兄さんに当たる蔦屋次郎兵衛も吉原五十間道にある引手茶屋を経営していました。

茶屋とは、吉原で働く夜のお姉さんたちと連絡を取ったり、待ち合わせをしたり、宴会を開いたりする場所です。重三郎は、吉原生まれの中でもサラブレッドだったということが分かりますよね。家族が吉原に詳しいとは心強かったことでしょう。