アマメシバに含まれる化学物質

アマメシバにはパパヴェリン、チモール、ユーフォルビンといった化学物質が含まれている。

このうちパパヴェリンは急性動脈塞栓・末梢循環障害・冠循環障害における血管拡張と症状の改善や、胃炎・胆道系疾患における内臓平滑筋の痙攣(けいれん)症状を抑える医薬品として使用されている。チモールも殺菌、防腐剤として用いられる医薬品である。

一方、ユーフォルビンは多くの植物に含まれている天然毒素で、腹痛、嘔吐などを引き起こしたり、皮膚につくとアレルギー様の皮膚症状を引き起こしたりする。

実は、こんな怖いものが入っている野菜は特殊な野菜である、と考えるのは間違っている。日常われわれが口にする自然の野菜には、種々の天然毒素が少量だが含まれているのが普通なのである。

※本稿は、『健康食品で死んではいけない』(講談社)の一部を再編集したものです。


健康食品で死んではいけない』(著:長村洋一/講談社)

健康食品の危険性と、賢く取り入れるための方法を、一般社団法人日本食品安全協会代表理事が解説。

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