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老化による外見や体力、身体機能の衰えに悩む人は多いのではないでしょうか。順天堂大学医学部の小林弘幸教授は、老化の原因は「体内で発生する活性酸素」にあり、病気を進行させてしまうと指摘します。特に、「60代は、活性酸素の害=サビつきが一気に進む時期」なのだそうです。そこで今回は、小林教授の著書『60代からは体の「サビ」を落としなさい』から一部を抜粋し、厄介なサビの落とし方をご紹介します。

睡眠は活性酸素のダメージを減らすためにあるもの?

活性酸素を制する生活改善のポイントは「睡眠習慣」です。

睡眠と活性酸素は「切っても切れない縁」でかたく結ばれていると言ってもいいでしょう。

そもそも、活性酸素は人間が活動していればどうしてもできてしまう副産物であって、日中の活動時間や活動量が多いとより発生しやすくなるもの。じつは、その日中にできた活性酸素を除去しようとする反応が睡眠を呼ぶのではないかという説もあるのです。

要するに、睡眠は活性酸素の害を減らすためにあるのではないかということ。わたしたち動物になぜ睡眠が発生したのかはいまだ科学的結論が出ていない問題なのですが、「日中の酸化ストレスによる細胞ダメージを解消するために睡眠が必要だった」というのはかなり説得力がある話なのではないでしょうか。

少なくとも、活性酸素の発生量に睡眠の質や量が大きく影響しているのは科学的に見ても疑いありません。すなわち、慢性的な睡眠不足だったり睡眠の質が悪かったりするとてきめんに活性酸素が多くなってしまい、逆に、質のよい睡眠を十分にとれていれば活性酸素を少なく抑えられることにつながるのです。