メラトニンの弱点
ただし、夜にメラトニン分泌を高めるには、できるだけ守ってほしい注意事項があります。
それは、夜遅くまでスマホ、パソコン、タブレットなどを使い続けないこと。なぜなら、メラトニンには「夜、強い光を浴びると分泌が抑えられてしまう」という弱点があって、スマホなどのディスプレイから放たれる強い光を目にしていると分泌が減って、自然な入眠が妨げられて寝つきが悪くなったり眠りが浅くなったりしてしまうからです。
メラトニン分泌を増やすには、なるべく暗めの環境でリラックスして夜を過ごすほうがよいとされています。だから、眠りの妨げにならないよう、できれば就寝の3時間前、少なくとも1時間前にはスマホやパソコンの操作を切り上げて、なおかつ室内の照明を暗めにして過ごすことをおすすめします。
すなわち、「夜の光」をコントロールしてこそ、心地よい眠りを手に入れることができ、「朝の光」と「夜の光」の両方を制してこそ、睡眠と覚醒の正しいリズムを手に入れることができるというわけです。
先ほど、「睡眠は覚醒時の活性酸素の害を減らすためにあるのかもしれない」という話をしましたが、「朝の光」「夜の光」をコントロールしつつ日々を送れば、日中はしっかり活動して夜はぐっすり休むという覚醒と睡眠のリズムができ、活性酸素のダメージを最小限に抑えていくことができるのではないでしょうか。
※本稿は、『60代からは体の「サビ」を落としなさい』(飛鳥新社)の一部を再編集したものです。
『60代からは体の「サビ」を落としなさい』(著:小林弘幸/飛鳥新社)
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