どうしても頭から離れないときは、何か別のことをしてみるのもいいですね。ご自分の好きなことがあれば、ぜひそれを。ないならないで大丈夫。大げさに考えず、すぐにできる簡単なことに集中すればいいのです。

私は診療の最後に必ず、「ご自分を大切にしてください」とお声がけするようにしています。するとハッと表情の変わる方がいらっしゃる。「ああ、この方は、ずっと自分を後回しにして、誰かに尽くしてこられたのだな」と感じることが少なくありません。

何よりもまず、自分を大切にすること。自分が自分を大切にしなくて、ほかの誰がしてくれるでしょう。あなた自身の心とからだの声を聞き、いたわり慈しんであげましょうよ。自分のことに集中し、心地よくいられる居場所や人間関係を大事にしてほしいなと思います。

誰かへの心配や期待、過去への執着や未練、後悔などは悩みを生む元凶です。ほどよく忘れて、「そんなことよりも、今」とサラリと前を向いて生きるのが一番。

私は、ネガティブな気持ちを翌日に持ち越すことはほとんどありません。理由は簡単。「持ち越さない」と決めているからです。起きてしまったことをあれこれ考えるより、次にどうするかを決めるほうがずっと大事だと思いませんか?

後編につづく

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