日本は、患者をなかなか「死なせない」国
当たり前です、誰でも死にたくはありません。でも、誰にでも寿命がある。
頭ではわかっていても、家族は、「この前まで元気だったのに」「信じられない」「病気が治る可能性があれば」……となってしまう。
では医師の心情はどんなものでしょう。医師はなるべく死亡率を下げて、生存率を上げるというデータに基づいて、「この治療がいい」と信じて行っています。
もちろん、それは医師の基本です。ですから、基本に忠実な医師ほど「患者を死なせたくない」と強く思う。患者が死ぬことは、医師にとっていわば「敗北」なのです。
結果、日本は諸外国に比べ、患者をなかなか「死なせない」国であり、それゆえつらい死に方をすることが多いことになっているのが現状です。
もちろん、医療そのものが悪いわけではありません。医療はデータに基づいて一所懸命、患者の命を救うようにする。あとは、一般の人たちが、その医療をどう利用するかが大事なのです。