患者本人が幸せになれる治療を選ぶ
今の日本では、多くの人が自分、あるいは家族が病気になったとたん、「みんなおまかせ。治してください。できるだけお願いします」となってしまいます。
医療がおかしいというより、利用者が変わるべき、選ぶべきだと思います。
みなさん、洋服を買うとしたら、高級ブランドがいいのか、またはユニクロがいいのか、「消費者・ユーザー」として選びますよね。医療においても、患者はユーザーです。選んでいい、いえ選ぶべきなのです。
萬田診療所にやって来るのは、「もう苦しくないようにしてください」「本人の好きにさせてあげたい」という患者や家族なのです。
けれど、もちろん一方で「とことん治療したい」という本人もたくさんいます。僕みたいな医者ばかりでは、治る希望が欲しい人はかわいそうです。みんな、死にたくはないのだから……。
治療にも選択肢があります。患者本人が幸せになれる治療を選ぶことを大事にしてほしいと思います。
※本稿は『棺桶まで歩こう』(幻冬舎)の一部を再編集したものです。
『棺桶まで歩こう』(著:萬田緑平/幻冬舎)
「歩けるうちは死にません」「抗がん剤をやめた方が長く生きる」「病院で体力の限界まで生かされるから苦しい」「認知症は長生きしたい人にとって勝ち組の証」「ひとり暮らしは、むしろ楽に死ねる」など「延命より満足を、治療より尊厳を」という選択を提唱。
医療との向き合い方を変えることで、家で人生を終えるという幸せが味わえるようになる!
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