沖縄の家には重要である、クーラーが効く家
というわけで、柱がないことに、若干困ったこともないわけではなかったものの、2×4の威力は、すぐに感じることになった。クーラーがよく効くのである。
これはいわゆる「断熱性」の問題である。屋根に遮熱シートなるものを入れてある、ということももちろんあるが、近所の方がお家を見にきては、ここはクーラーがとりわけよく効いている、とおっしゃる。
広縁と四畳半、六畳の二間にキッチンのある間取りの部分には、広縁に一つ、六畳間に一つ、二つのエアコンを設置しているが、2台稼働させる必要を感じたことがない。
六畳と四畳半の和室と広縁は、普段は全部開けっ放しの広い空間で天井も梁見せ天井なので高いが、そこに家庭用エアコン一つを稼働させていれば、家中涼しい。
これは本当に沖縄の家には重要なことだな、と思う。絶対の自信で勧めてくださっただけのことはある。
※本稿は『竹富島に移住して見つけた人生で大切なこと』(幻冬舎)の一部を再編集したものです。
『竹富島に移住して見つけた人生で大切なこと』(著:三砂ちづる/幻冬舎)
65歳、島に家を建てて、暮らしはじめました
著者は勤めていた大学を定年前に退職し竹富島に移住、赤瓦で平屋造りという伝統家屋の家を建て、65歳にして初めての一人暮らしを始めます。
人口330人、娯楽施設はもちろん、買い物ができる店もない「不便」な島。ですが、年間25もの祭事・行事がある島での暮らしは、つねに神様とともにあり、島の人たちとの深い人間関係にも守られています。
伝統家屋の家に暮らすということ、祭り、食、人々との交わり……。島で暮らすことの喜びとともに目覚め、喜びのうちに眠りに就く、移住最初の1年を綴りました。




