AI全盛時代だからこそ、人間の仕事が大事だと思う。たとえば、トムが自身の命をかけてアクションに挑む姿に、私たちは心を打たれますよね。大谷翔平くんがホームランを打てばうれしいのも、アスリートの生身の活躍が素晴らしいから。感動とは、人が人にもたらす贈り物なのだと思います。

仕事のペースを落としてゆとりがあるときは、動画配信サービスなどで懐かしい映画をあれこれ楽しむようになりました。ジャン・ギャバン、ハンフリー・ボガート、先日亡くなったロバート・レッドフォードの作品もみんな素晴らしい。昔の映画を観るのは後ろ向きなことではなくて、時代が変わってもいいものはいい。モーツァルトの音楽は300年経っても傑作でしょう?

たとえば気持ちが沈んでいるとき、面白い映画や明るい映画を観れば気持ちが晴れるもの。映画館に足を運ぶのは気分転換にいいと思うし、懐かしの名画を楽しむのもおすすめです。

私は読書も好きで、監督や俳優の自伝や探偵が活躍するミステリーを読みます。キンドルで電子書籍を買えば、スマホなどで読めてどこでも持ち歩けるし、海外でも本が簡単に買えるから本当に便利。

こんなふうに、いまを楽しみながら、自分で選んだ人生を歩み続けていければと思っています。

【関連記事】
翻訳家・戸田奈津子89歳「初来日以来通訳を務めてきたトム・クルーズから引き止められながらも、3年前に通訳業は引退。今も映画の字幕通訳は現役で」
松岡和子「女性初の『シェイクスピア全訳』を78歳で達成。子育て、介護をしながら翻訳業に人生を捧げて」
岸本佐知子×酒井順子 完璧に訳すのは無理でも、ベースにある喜怒哀楽は同じ。翻訳とは「その部分は揺るがない」と思って折り合いをつけていく妥協の作業<前編>