無年季的質地請戻し慣行

質流れから10年、20年、場合によっては100年経っても請戻しが可能だった。そもそも、最初から請戻し期限を設定しないこともあった。これが、無年季的質地請戻し慣行である。

質入れ期間中の質入れ地(質地)からの収穫物は金を貸した側のものになり(年貢も貸し手が負担)、それが利子分と見なされたため、請戻し時に利子を払う必要はなかった。

『年貢-せめぎ合う江戸時代の領主と百姓』(著:渡辺尚志/中央公論新社)

江戸時代の契約はルーズだったから、こうした慣行が存在したというわけではない。

一般に中小の百姓は上層百姓に比べて経営が不安定であり、土地を質入れして借金する必要に迫られることが多くあった。