気がつけばあらかたの謎を解き終わり、雀一家のストーリーはエンディングを迎えつつあった。
最後の坊やが見つかったのは、新型コロナウイルスの流行にあえぐ百貨店のトラックヤードだった。マスク姿の社員たちが荷受けを行い、仕分けをして、台車に載せた商品を慌ただしく売り場へ運んでいる。普段は外部業者に委託する作業も、節約のために自分たちで行った。それくらい壊滅的な売り上げの落ち込みだった。荷受けだけでなく清掃、梱包、発送作業、なんでもやった。あと半年この状態が続けば、福来屋グループは倒産すると言われていた。それでも、それでも、と祈るような気持ちで、社員たちは館内を駆け回る。その社員の一人のポケットに、三番目の坊やは入っていた。
好奇心旺盛で元気な末っ子は、親を恋しがって鳴くのではなく、社員が不安で足を止めるたびに「未来がくるよ」と励ましていた。母親雀が社員のポケットにもぐり込み、その子を竹籠に入れて運び去る際にも「一緒にいるから!」と高く鳴いた。
家族がそろった雀一家は、時間のうねりに巻き込まれる。夢の主が目覚めようとしている。親雀は元気良く羽ばたいた。私たちの巣へ、帰ろう――。
最後の謎は、まるで常連客向けのサービスのような簡単な問題だった。雀一家の巣の場所を漢字で答え、五階のカウンターのスタッフに見せてください。問いの周囲には二十個ほどの漢字が漂っている。これらの漢字の中から答えを組み立てろということだろう。「正面玄関」と答えを導き出し、吉晴はイベントの開始地点だった五階のカウンターへ向かった。
