「先生はどっちの答えで出します?」

「僕は……そうだな、もう無くなったものに興味があるから、京都本店の方で出そうかな」

 吉晴は先に書いてあった「正面玄関」に二重線を引き、「屋上庭園」と書き直してから日下部に渡した。日下部は解答を確認し、小さく笑った。

「福来屋の社員さんによると、関西圏からのお客様で、『うちらの雀ちゃんに会いに来たよ』って屋上庭園に立ち寄る方が大勢いらっしゃるそうです」

「かわいがられていたんだね」

「先生方、この後は飲みに行かれるんですか?」

「どうしようかな、決めてないけど」

「私、二十時に退勤なんです。もしみんなでご飯とか行っていたら、合流させてください」

「それなら三島と梅木に声をかけてみるよ。日下部、前に連絡くれたときとアドレス変わってない?」

「変わってないです」