「じゃあ、連絡する」
差し出されたエピローグを手に、吉晴は二人のもとへ戻った。三島と梅木はちょうど、それぞれが獲得した封筒の中身について情報交換をしているところだった。
「正面玄関」と解答した三島が獲得したエピローグでは、改装のため養生シートに覆われた福来屋日本橋本店の正面玄関横の巣に戻った雀の一家が、それぞれの冒険を振り返っていた。自分たちが通り抜けたのは、休業中の百貨店が見る夢なのだろう。孵化(ふか)を待ちわびる雛鳥のように、百貨店は新たな姿を夢みて眠る。しかし「お客様との三つの約束」という日本橋本店の理念に基づいて「誠実」「創造」「笑顔」と名付けられた三羽の子雀たちは、変わらない心でお客様を迎え続ける。
そんなストーリーの最後には、「福来屋日本橋店は来年の春から改装工事を行います。当店を支えていただき、ともに歩んでいただいたお客様へ、心おどる新しい生活のご提案や、百貨店でしか味わえない特別な体験をご提供できるよう、全館を再構築して参ります」というアナウンスが添えられていた。景品のしおりには、三羽の子雀が身を寄せ合って眠るイラストが描かれていて、三島の言う通り、たしかにかわいらしい。
