スペインでは15歳

旅行雑誌で連載をしていたこともあり、そのおかげでスペイン、フランスにも連れて行ってもらった。事情はよくわからなかったのだが、スペイン観光協会の招待で、他社の編集者やライターさんも一緒だという。

スペイン内ではマドリードから海沿いのマラガに移動して、そこで10日間を過ごした。浜辺の店で、私と同じく編み物好きの編集者と一緒に、食事をしてずーっと編み物をしていた。

「このアジア人は何をしているのか」

といいたげに、かわいい女の子がじーっと私たちのことを眺めていたり、

「いいね」

と親指を上げてにっこり笑ったおばちゃんもいた。

一緒に行った編集者は酒飲みだったので、私一人で近所のマーケットで買い出しに行った際、頼まれた酒を買うと、レジのお姉さんが私の顔を見て、何度も首を横に振った。

たまたま通りかかった、同行していたスペイン観光局勤務の日本人女性に、いったいどうしたのかと聞いたら、私のことを15歳だと思っていて、酒を買うのはだめだといっていたらしい。

まあそのときはおかっぱ頭だったし、背も低いのでそう思われても仕方がないが、立派に30過ぎているのである。

どっちみち私は酒は飲めないので、酒はカゴに入れたまま、近くにあったジュースをカゴにいれると、レジ係のお姉さんはにっこり笑って何度もうなずいていた。

その後、バス移動をしたとき、観光局の女性が運転手さんに、私のことをいくつに見えるかと聞いたら、彼も、

「15歳」

と答えた。すると彼女は、

「スペインでは15歳だそうです」

と笑っていた。複雑な気持ちだった。