とはいえ、自分の体調不良を経験してからは、やっぱり老いていると認めるしかなかった。そしてこれから20年、30年と、自分の体と付き合っていかなくてはならない。
なぜ当時、甘い物を爆食いしてしまったのかを考えると、母親が倒れたことによる、ストレスだったのだろう。入院費等、病院関係については全部、私が支払ったが、手続きは母親と同居している弟にやらせた。彼は金を出すこと以外は、きちんとやるのである。
比較的スムーズに特養老人ホームに入れたことに対して、私の母親だから、優遇されたのではといった人もいたけれど、私は一切、表に出ていない。
役所からは、私のところに引き取ることはできないかという打診もあった。実際、特養に入れないことを考えて、民間の施設の情報も調べていたのだけれど、それでも入れたのは、自治体の老人介護問題へのシステムが行き届いている結果だった。
それとちょうどそのときは、たまたま施設の入所者で亡くなる方が多く、例年よりも空きが多かったという話を聞いた。また、不景気になったことで、施設の月々の支払いができなくなり、やむをえず退所することになった方も増えたとも聞いた。
生活が苦しくなったうえに、施設から親を引き取るのは大変なことだろう。そういう場合、いったい誰が親の世話をするのだろうかと、他人事ながら心配にもなった。
近県に住んでいる人の話だが、その人の義理のお母さんはどこでも用を足してしまうほどで、うちの母親よりも介護認定度が高いのに、入れる施設がなかった。
そこで小学生のお子さんたちが、学校からまっすぐ帰って、認知症のおばあちゃんの面倒を見るという状態になっていた。今でいえばヤングケアラーなのだろうが、それを聞いたときに、放課後は友だちとも遊びたいだろうに、お子さんも大変だなあと思ったものだった。その後、何年も経過して、やっと施設に入所できたと聞いてほっとした。