「打撃をつかめる」なんてありえない

当たり前ですが、打撃フォームも感覚も人それぞれ。

体格も身体能力も、神経回路のあり方なども、人によって違う。

一流選手であっても、やり方は人によってまったく違います。

一流選手は、ずっと同じフォーム、同じ感覚で打ち続けられるのか。

それも難しい。

昨日の自分と今日の自分が、寸分たがわず同じ状況であることなどないのだから。

ましてや数か月も経てば、大きく変わっている。

筋力が上がっていることもあるかもしれない。

反応、反射のスピードが変わっているかもしれない。

だから、「打撃をつかめる」なんてことはありえない。「考え方の軸」を持つことはとても大切だと思います。

『獅子貫徹 ライオンズ一筋25年、理想の打撃を追い求めて』(著:栗山巧/KADOKAWA)

かつて牧野栄一さんに教わったこと。プロに入って田邊徳雄さんに教わったこと。

それらは今もなお、僕にとって立ち返るべき場所になっています。

でも、結果が出ていたときと、同じことをしようとするのは違う。

同じことなんか、できない。

そういう意味でも、当時の僕は、錯覚にとらわれていたのだと思います。

結局、2008年の打撃成績は、僕にとってキャリアハイとなります。

残念ながら、そうなってしまった。

そして、当時の幻影が残り続けることで、僕はずっと苦しむことになります。