「冬を迎えると、着るものから景色までモノトーンになって、さらに気持ちも沈みがちに。ならば私は、少しでも皆さんの気持ちが晴れるように、華やかな色を纏いましょう」(撮影:御堂義乘)
病や災難に見舞われても、冷静さを保つよう心がけているという美輪明宏さん。新型コロナウイルスが猛威を振るった今年、報道に気持ちをかき乱されることなく穏やかに過ごしていたといいます。発売中の『婦人公論』12月22日・1月4日号から、不安を追い払う秘訣を語ったインタビューを掲載します。(構成=篠藤ゆり)

少しでも気持ちが晴れるように

今年は「ソーシャルディスタンス」という言葉がさかんに人々の口にのぼりました。それが定着し、マナーとされてもいます。以前なら、「距離を置く」というと水臭さを感じましたが、しかたがないことです。

2021年の鍵を握るのは、間違いなく新型コロナウイルスの治療薬とワクチン開発でしょう。しかし一方で、それらを金儲けや政治の道具にするような動きも見られ、コロナと同じくらい恐ろしい。卑劣で憎むべき所業です。日々、報道などを目にして鬱々としている方もいらっしゃるかもしれません。

冬を迎えると、着るものから景色までモノトーンになって、さらに気持ちも沈みがちに。ならば私は、少しでも皆さんの気持ちが晴れるように、華やかな色を纏いましょう。そんなふうに思うのです。