河野太郎氏が認めても「防大女子」はまだ知られざる存在

1992年の防衛大学校への女子入校開始から、2022年でちょうど30年となる。当初、決してその能力が期待されていたわけではなかった女子学生だが、2020年には河野太郎防衛相(当時)をして、次のように言わしめている。

「自衛隊の職務の中で女性にできないものはないと言ってよろしいかと思っておりますし、昨日行きました防衛大学、学生隊長は女性学生でございましたので、女性がしっかりと自衛隊の一員として活躍してくれるというところが人的基盤を厚くする、そういうことにつながっていくと思っております」

だが、圧倒的に男性的な組織の中で奮闘する「防大女子」の姿は、まだまだ世間的には知られざる存在だ。著者は自身の経験に加え、防大OG・現役生約50名の生の声を基に、彼女たちの知られざる姿を描いた。国防を担うひたむきな防大女子の姿や、究極の男性社会で悩む女性の姿を伝えたつもりである。

※本稿は、『防大女子―究極の男性組織に飛び込んだ女性たち』(ワニブックスPLUS新書)の一部を再編集したものです。


『防大女子―究極の男性組織に飛び込んだ女性たち』(著:松田小牧/ワニブックスPLUS新書)

防衛大学校全学生中、女子学生の割合はわずか12%。一般の「女子大生」とまったく違う世界に飛び込んだ彼女たちの生活や苦悩、喜びや課題を自身が「防大女子」だった著者が詳細に描く!