彼女たちからバトンを託されて

彼らは、かつての親友たちが私に向けてくれたのと同じ純粋な瞳を私に向け、話しかけてくれた。私は画家としてやっとスタート地点に立てたのだと、本当に嬉しく思った。

勿論これから歩む「自分にしか作れない作品を産み出す」道は、果てしなく孤独で厳しいだろう、でも、不思議と怖くはないのだ。命がけで表現者であり続け、私を励まし続けてくれた、強くて優しい盟友たちの生き方を間近で見たせいだろうと思う。

私はそして、彼女たちに託されたバトンを受け取っている。夫は命がけで支えてくれ、他のたくさんの人が、何の見返りも求めずに助けてくれる。だったら怖がってなんかいられない、ただひたすら前に向かって進むだけだ。

私の表現は、世界の中で自分だけの表現を探し、また、世界の中の日本人としてのアイデンティティを見つける旅なのだろう。でも、何よりも先に逝ってしまった友への、鎮魂(レクイエム)の旅なのだろう、と、そう思っている。

振袖で行ったおかげでいろんな人が声をかけてくれたそう