間垣親方は、「誉めて力士を育てる」のか
また、第58代横綱・千代の富士が九重親方となってテレビで解説をした時は、簡単に土俵を割ってしまう力士を見て、「もう駄目だ、と思った時からが勝負」と言った。さらに、「稽古をしていて、これ以上は疲れて駄目だ、と思った時からが稽古です」とも話していた。大横綱になる人は、心の持ち方が違うのである。
それで、歴代1位の「45回優勝」や「横綱在位84場所」を果たした間垣親方の初解説に期待した。意外だったのが、解説者の高評価を得ていない力士を評価したことである。前頭5枚目・高安は、最近は大関復帰の声も聞かれず、4日目までに一場所分の長い相撲を取っている。
5日目の正面解説者の芝田山親方(第62代横綱・大乃国)は、「粘り強いのは良いが、決め手がない」と言っていたが、間垣親方は、「現役の中で一番強いと思っている。重さはあるし、突っ張りもある。なんで敗けるのかと思う」と話していた。
さらに、期待をいつも裏切ると解説者たちに言われる大関・正代については、「生まれつき腰が強いのでしょうね」と言い、御嶽海と前頭3枚目・隠岐の海の対戦を見て、御嶽海のことを「やはり相撲を知っています」と誉めていた。
横綱・白鵬は、相撲の取り口や自由な行動で批判を浴びることが多かった。間垣親方になってからは、「誉めて力士を育てることに徹する」という方針なのかもしれない。
次に解説で登場する時は、人生の悩みをぶっ飛ばすような名言を聞きたい。