どうか無事に生まれてきてくれますように
妊娠がわかると、すぐにブログで妊娠を発表しました。すると、祝福の声もたくさんいただきましたが、普通は安定期に入ってからとか、心拍を確認してから発表したほうがよかったのでは、というようなご意見もいただきました。きっと途中でダメになる可能性を考えてそう言ってくれたんでしょうね。
でもがんになってからというもの、目の前の一日を大切にしたい、その時その時を受け止めたいと思うようになっていた私にとっては、今何が起こっているかが大切だったんです。だから真っ先に公表しました。
幸い今のところ順調に育ってくれていますが、この先、出産までいけるかどうかは誰にもわかりません。
でも、お腹に宿った子供もちゃんと生きようとしているし、今この瞬間に起きているその事実が嬉しい。私はどんな子であっても会ってみたいんです。だから、お腹の子供に障害がないかを診断する出生前検査はしないことに決めました。
死んでもいいからやってみたいという母の願いを叶えようと、やってきてくれた子供。どうか、無事に生まれてきてくれますように。
※本稿は、『生きるために、捨ててみた。』(幻冬舎)の一部を再編集したものです。
『生きるために、捨ててみた。』(著:だいたひかる/幻冬舎)
40歳で、乳がん発覚。絶望を吹っ切るために片づけてみたら、本当にいるもの、いらないものが見えてきた――。45歳で奇跡の妊娠! 話題の女芸人が贈る、5年間にわたるモノ、コト、人の片づけ記録。