先生の見つけ方

で、まずは「先生の見つけ方」について。

いや本来なら、先生より何よりピアノを手に入れる方が先なのであろうが、で、まずここから始めるのにはちゃんとした理由がある。

先ほども書いたように、実に多くの方が「私もやってみたい!」とおっしゃるのだが、その後、妙な沈黙がある。やりたい! でも……という感じ。

でも……なんなのか?

はい。私には皆様のお気持ちが手に取るようにわかります。

「私もやりたい!」というのは「私も憧れの曲が自由に弾けるようになりたい!」という意味なのだろう。だが当然のことながらそこに至るまでには長い道のりがあるに違いなく、多くの人がその「長い道のり」とはいかなるものか、既によく知っているのである。

そう。それは、苦痛以外の何物でもないレッスン!

練習曲を延々と弾かされ、おっそろしい先生がそれを横でイライラしながら監視している。そんなことが楽しいはずがあろうか。ほとんどの人が、その多大なる苦痛を乗り越えることができず早々に投げ出したという苦い過去を抱えているのだ。

「ピアノをやりたい」と考えるほとんどの人がレッスンに対して苦い記憶を持っている?(写真提供:写真AC)

というわけで、いざ一歩を踏み出すとなるとその苦い記憶がよみがえり、うーん……となるのでありましょう。

しかし、それはあまりにももったいない! 時代は変わったのだ。まずはそれを声を大にして言いたい。

もうそんなことをする必要はない。あなたはもうまっすぐに、憧れの曲に向かって進んでいけば良いのである。何しろ我ら中高年にはもう時間がないのである。ツェルニーとかバイエルに足を取られて「いつかは」などと言っていられる余裕などないのである。

で、それを助けてくれるのが「良い先生」なのだと思う。良い先生に出会うことができれば、子供時代の悪夢を再現しなくて済む。ピアノを弾きたいという真っ直ぐな憧れを、今すぐに楽しく現実のものとすることができるのだ。