天気がよかったので、出張先の屋外でオンラインレッスンに参加したことも(写真提供:筆者)

大人専用のバレエスタジオなら安心

18年に大人専門のスタジオとしてオープンした「大人バレエアカデミー」には、都内3店舗で約300人の会員がいるが、その多くが50代以上の女性だ。

「子育てが終わり、経済的にも時間的にもゆとりができる世代。お孫さんがいらっしゃる方も少なくないですよ」と代表の猪野恵司さんは言う。

「バレエのメソッドは、もともと才能のある子どもをプロに育てるために確立されたもの。大人が趣味で習うことは想定されていませんでした。当然子どもと同じレッスンではケガをするし、頑張っても上達しない。それで大人が基礎から学び、長く続けられるスタジオを作ったんです」

確かにバレエの動きは、脚を大きく開いたり、ジャンプをしたり、年齢を重ねた体には負荷が大きいように見える。

「バレエの基本姿勢は、脚を外側に開いた状態。大人の方にとって、実はこれが難しいんですね。無理に開くとつま先と膝の方向がずれ、ジャンプの着地のときに足首を捻挫したり、膝を痛めたり。ジャンプは小学生でも片足に100キロくらいの力がかかりますので、正しい開き方を知ることが大切なんです」

同アカデミー銀座スタジオの主任講師・内海志保さんは、「まっすぐな姿勢とは、立ち姿を横から見たとき、耳、肩、骨盤、膝、くるぶしの5点が一直線に並ぶこと。入門クラスではその感覚を覚えていただくために、園芸用の支柱を背中に入れたり、頭に重りを載せたり、ポールに乗ったり、わかりやすい指導を心がけています」と話す。

「お腹を引き上げてまっすぐ立てるようになると、バレエをしていないときでも、姿勢を保てる筋力がつきます。長年の腰痛がなくなったという生徒さんもいますよ」