101歳の長寿を全うした生活評論家、吉沢久子さんが日々の生活 のなかで見つけた「幸せに生きる方法」「暮らしのアイデア」「 簡単に作れるおいしい料理」は今の時代を生きる上でもヒントがい っぱい。エッセイ集『100歳の100の知恵』(中央公論新社) から吉沢さんの極意を1つずつ紹介します。
<100歳の100の知恵 49>
『きんぴらごぼう、我が家流』
きんぴらごぼうのような定番の家庭料理は、それぞれのご家庭で《我が家流》の作り方や味つけがあると思います。
私のきんぴらごぼうは、若いときはやや太めのせん切りにしていましたが、歳とともに細めを好むようになりました。
まず5センチほどのたんざく切りにしてから、やや斜めに包丁を入れてせん切りにします。そのたんざく切りも、年齢とともに薄くなっていきました。切るそばから水に入れ、切り終わったところですぐザルにあげて、炒め始めます。
長時間水にさらしておくと、せっかくの香りが抜けてしまうのでご注意を。
炒め油はサラダ油でかまいませんが、ゴマ油を少し加えると香ばしくなります。味つけは、みりんと醤油。私はお砂糖を使いませんが、甘めの味が好きな方もいるようです。
コツはごぼうの歯触りが残るよう、一気に炒め上げること。仕上げにたっぷりの白の切りゴマと一味唐辛子粉を振り込みます。