自分の大事なものを知らずに、他人は理解できない
川内 人には必ず譲れないものがあって、この利用者さんはそれが「植木」につながっている。そこをケアプランに落とし込まなきゃいけないんだけど、自分に対して掘り下げができない人には、他人にもできない。
―― うんと簡単に翻訳しますと、「自分の大事にしていることが分かると、相手の大事にしているものへの気持ちが分かる、あるいは分かりやすくなる」ということでしょうか。
川内 そういう理解でいいと思います。自分にとってのカメラが、クルマが、ラーメンが、相手にとっての馬、なんだろうと考えれば、すこしは理解できそうな気がしてくるじゃないですか。そこから入って、自分が好きな理由まで考えていく。それは他人にも応用できる、かもしれない。
―― 介護者よ、まず、自分を知れ、か……。