手を当てるのは一番のケア

不安なときに手を握ってもらうと心が落ち着きます。

同じように、痛いところに手を当てると痛みが和らぐような気がします。

ソシオ・エステティシャンとして活動中、高齢者にハンドマッサージをするだけでとたんに笑顔を取り戻し、会話が弾むようになった例や、がんで闘病中の方の表情が明るくなり、前向きな気分になられたという例を数多く目にしました。

エステティシャンとしての長年の経験から、私は手には肌と肌の触れ合いでエネルギーを伝達する力があると確信しています。

そして、プロから施術を受けるよりも、むしろセルフマッサージのほうが良い点もあります。

(1)いつでもどこでも実行できる……朝の化粧前や業務後のお出かけ前、就寝前など、空き時間にすぐに行えます。

(2)自分好みに加減できる……自分の顔だからこそ、触って心地のいいところはもっと力を加えてみたり、回数を多めにしてみたりとお好みにできます。

(3)効果を出したい部分を優先的にケアできる……ほうれい線や二重あご、眉間のシワ等、日頃から気になるところを重点的にマッサージできます。

あなたの肌を美しくする鍵は、あなたの手のひらが握っています。

肌は生きているので、励ましてあげればどんどん期待に応えてくれますよ。

※本稿は、『70代からのパリジェンヌ・スタイル フランス女性に学ぶ、幸せなシニア暮らし』(主婦と生活社)の一部を再編集したものです。


70代からのパリジェンヌ・スタイル フランス女性に学ぶ、幸せなシニア暮らし』(著:ゴダール敏恵/主婦と生活社)

いくつになってもパリジェンヌは強く、美しい! ひとりの高齢者にスポットを当てるのではなく、さまざまな立場、出自、スタイルを持つ人々の「生きざま」を取り上げることで、フランスの多様性を知るとともに、将来の自分の姿に照らしてより共感しやすい一冊となっています。