イキイキ歳を重ねている人ほど、薬に頼らず食事からの栄養を重視し、たんぱく質を上手に摂取しています。そう解説するのは、高齢者医療の第一人者である和田秀樹さん。和田さんによると、そのカギになるのは、手軽に取れて免疫力を高める《牛乳》だそうで――。筋肉・骨の衰え、低栄養、生活習慣病、不眠など、様々な病気や不調を遠ざける牛乳の魅力をわかりやすく解説した『医師が教える長生きする牛乳の飲み方』より一部を抜粋して紹介します。
牛乳を飲むとおなかがゴロゴロするのは病気ではない
牛乳を飲むと「おなかがゴロゴロする」「トイレに行きたくなるから、電車や車に乗れない」という人が一定数います。
これは「乳糖不耐症」といって、牛乳を飲むと消化不良でおなかの不快感を覚えたり、腹痛やおなかのハリ、下痢になることもあります。
乳糖不耐症の人は、牛乳に含まれる乳糖がうまく分解・吸収ができず、結果、これらの症状を引き起こすといわれています。
糖の一種である乳糖は小腸で分解されて体に吸収されるのですが、分解されるときに必要なラクターゼという酵素が不足していることがその原因とされています。
また、ラクターゼは乳幼児には非常に高い活性があります。というのも、乳児は母乳や乳製品が主な栄養源であるため、乳糖を分解するために必要だからです。
しかし、成長につれて固形の食品を主にとるようになると、多くの人がラクターゼの活性が低下します。