正しいことは小声でよいのです
親が子どもと接するうえで気をつけなければいけないのは、正しいことは大きな声で注意をしないということ。「正論であればあるほどゆっくりと落ち着いて伝える」ことが大事です。
正しいことなのですから大声で威圧する必要はありませんし、強く言う必要もないのです。
このことを勘違いすると、正しいことでも相手の心に届きません。
言い方や態度に反発して素直になれず、内容も納得できなくなることはよくあるものです。正しいことほど穏やかに話しましょう。
子どもの教育は勝ち負けではありませんから、子どもと論争して打ち負かす必要はありません。
言うことを聞かせようとすると、ついつい、理屈の応酬となり、相手を言い負かす、または言い負かされるという、まるで勝負のような状況ができあがってしまいます。
このような相手の弱点を突くようなやり方は、子どもを相手とする教育の現場では考えものです。
子どもは弱点だらけです。論破しようと思えば簡単に勝てるでしょう。子どもの正しい成長を導くためには、気持ちに寄り添うことです。
子育てに勝つも負けるもないのです。
親のほうが勝ち負けの目線で考えるのは、もってのほかです。
※本稿は、『心を育てる中学受験-全員が中学受験する洗足学園小学校が大切にしていること』(中央公論新社)の一部を再編集したものです。
『心を育てる中学受験-全員が中学受験する洗足学園小学校が大切にしていること』(著:吉田英也/中央公論新社)
全員が中学受験をする名門校「洗足学園小学校」。
受験をサポートする体制を作りあげた前校長が教える、「人生の役に立つ」教育メソッド。