(写真はイメージ。写真提供:Photo AC)
「プロレス四天王」の一人として活躍した川田利明さんは現在、東京都・世田谷区のラーメン屋「麺ジャラスK」の店主です。「開業から3年以内に8割が潰れる」ともいわれる厳しいラーメン業界で経営を続け、2024年6月で開店から15年目を迎えました。しかし川田さんは、「ラーメン屋は絶対にやらないほうがいい」と語っていて――。今回は、川田さんの著書『プロレスラー、ラーメン屋経営で地獄を見る』から一部引用、再編集してお届けします。

あっという間に消えた1000万円……開業資金はいくらあっても足りない!

どんなビジネスを始めるにしても、初期投資はどうしてもかかる。

今までプロレスしかやってこなかったから、そのあたりのことはあまりピンと来ていなかった。

プロレスラーは文字どおり、裸一貫でやる職業。タイツとリングシューズさえあれば、あとは何もいらない。なんなら裸足で闘ってもいいわけで、初期投資とは無縁の世界だ。

もちろん、会社からみれば住むところを与えて、飯も食わせるわけだから、ひとりのプロレスラーがデビューするまでには、それなりの投資はしているものの、やる側の人間は本当に数万円もあれば、試合道具を揃えることができる。

いや、先輩がお下がりのシューズやタイツをくれることだってある。

しかし、ラーメン屋……自営業の場合はそうは問屋が卸さない。

借りた店舗のものはどれも使えないものばかりだったので、すべてを買い揃えたり、リース契約を結ばなくてはいけなくなった。