観光客が年間50万人訪れる「竹富島の魅力」

そのようにして守られた町並みを見に、観光客が年間50万人訪れる。

美しい空、海、星、それに加えての沖縄の原風景の町並み。

しかし、それだけでは人は集まらない。そこに住まう人の魅力があってこそ、ここを訪れたい、また来たい、と思うのである。

乱開発に抵抗して、島を町並み保存地区とし、竹富島憲章を自ら作り上げて、沖縄の原風景を守ってきた、というだけで、気骨ある人柄と、じっくり膝を突き合わせた話し合いができるような信頼できる成熟した島民同士のありように思いを致すことができるであろう。

 

※本稿は『竹富島に移住して見つけた人生で大切なこと』(幻冬舎)の一部を再編集したものです。

 

【関連記事】
定年前に大学教授を退職、65歳で竹富島一人暮らしを始めた三砂ちづる「驚いたのが郵便局。島の生活自体はかなり都会と違うのだが、郵便局の扉を開けると…」
定年前に大学教授を退職、65歳で竹富島一人暮らしを始めた三砂ちづる「あたかも島にもう一つ集落ができたかのような『星のや竹富島』。その中がむしろ昔の島の風景に近くなっているワケ」
台風に強い伝統建築が必須の島なのに、家があっという間に完成。大学教授を定年前に退職し竹富島に移住した作家が驚いた〈家づくりの秘密〉

竹富島に移住して見つけた人生で大切なこと』(著:三砂ちづる/幻冬舎)

65歳、島に家を建てて、暮らしはじめました

著者は勤めていた大学を定年前に退職し竹富島に移住、赤瓦で平屋造りという伝統家屋の家を建て、65歳にして初めての一人暮らしを始めます。
人口330人、娯楽施設はもちろん、買い物ができる店もない「不便」な島。ですが、年間25もの祭事・行事がある島での暮らしは、つねに神様とともにあり、島の人たちとの深い人間関係にも守られています。

伝統家屋の家に暮らすということ、祭り、食、人々との交わり……。島で暮らすことの喜びとともに目覚め、喜びのうちに眠りに就く、移住最初の1年を綴りました。