過食も小食も疲労のもと
本来は太らないはず?
まずは食事のボリュームについて解説していきましょう。過食も小食も、疲労の引き金になり得るのです。食べすぎるとなぜ疲れるのでしょうか。食欲はどうコントロールされるのでしょうか。
食べすぎると疲れやすいのは、体重と体脂肪率が右肩上がりになって太りすぎるため。太りすぎると、24時間余分な重い荷物を背負っているようなものですから、当然疲れやすくなります。
どんなに太ったとしても、体の代謝機能を担っている心臓や肝臓などの臓器、体を構成する筋肉や骨などのサイズはあまり変わりません。クルマにたとえると、太った人はセダンのエンジンしか備わっていないのに、トラック並みの荷物を積んで走るように強制されているようなものですから、疲れやすくなるのは当然なのです。
一方、体には、体温や体液のpH(水素イオン指数)といった体内環境を一定に保とうとする仕組みがあります。それはエアコンが決まった設定温度を保つようなものであり、ホメオスタシス(生体恒常性)と呼ばれています。
実は体重にも、ホメオスタシスが働いています。体には体重を一定のセットポイント(設定値)に近づけようという機構があり、「体重の恒常性」と呼ばれています。体重は毎日微妙に変化しますが、長い目で見るとセットポイントのゾーン内に収まるはずなのです。
「体重の恒常性」が働いていたら、誰一人として太ったりしないはずなのですが、現実は違います。厚生労働省「令和6年国民健康・栄養調査」によると、20〜60歳代男性の34%、40〜60歳代女性の20.2%は肥満なのです。食べすぎる人が多いのです。それは、一体どうしてなのでしょうか。