食欲は脳でコントロールされている

食べすぎる理由を探るために、「体重の恒常性」に関わる食欲の仕組みについて説明しましょう。

食べ物を欲する「食欲」は、脳の視床下部でコントロールされています。視床下部はホメオスタシスの司令塔であり、自律神経の中枢でもあります。

体の基本的なエネルギー源になっているのは、糖質と脂質。それらが分解されると、細胞のエネルギー源である血糖と脂肪酸になります。血糖とは、血液中に含まれているブドウ糖(グルコース)であり、脂肪酸とは、脂肪細胞に収められている中性脂肪(これが体脂肪の正体です)が分解された物質です。

食事をしてから時間が経つと、体中の細胞で血糖が消費されて血糖値が下がり、血糖の不足をカバーするために脂肪細胞で中性脂肪を分解して生じる脂肪酸が血液中に増えていきます。すると、血糖値と脂肪酸の増減をモニターしている視床下部にある空腹中枢が反応して、空腹を感じて食べ物を探して食べるという摂食行動を起こします。

食べ物を食べると、そこに含まれている糖質が分解・吸収されて血中に入り、血糖値が上昇します。血糖値が上昇すると、脂肪細胞での中性脂肪の分解にブレーキがかかり、脂肪酸の血中濃度が減っていきます。血糖値の上昇と脂肪酸の減少を、視床下部の満腹中枢が感知すると、満腹を感じて食べることをストップします。

体重を一定に保つ「体重の恒常性」は、このように視床下部の空腹中枢と満腹中枢の働きで説明できるのです。

<『大人気フィジカルトレーナーが本気で考えた 疲労回復の習慣』より>

より詳しく語るなら、食欲には、血糖値や脂肪酸の他にも、消化管から分泌される食欲ホルモン、脂肪細胞から分泌されるホルモンのような作用をもたらす物質であるレプチンなども関わっています。

さらに摂食行動は、生活習慣の影響も受けています。1日3食が習慣化されていると、たとえ空腹中枢が反応していなくても、「ランチタイムになったから、お昼を食べなきゃ」と思い込み、食事をするのです。

TO DO

■食べすぎ同様、食べなさすぎにも注意しよう

■食欲の働きを知ろう

※本稿は、『大人気フィジカルトレーナーが本気で考えた 疲労回復の習慣』(日経BP 日本経済新聞出版)の一部を再編集したものです。

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