チャレンジを避けるほど、生き残りやすかった?

ここから、もう少し進んだ話をしてみましょう。

いろんなことに積極的にチャレンジする人は、生き残れなかった可能性があるという説があります。例をあげて詳しく見ていきましょう。

■食べ物のリスク

今の私たちにとっては、新しいレストランに行くのは楽しいイベントですが、原始時代の人々にとって「食べたことがないものを食べる」のは大きな危険でした。

・未知の植物や木の実を食べたら毒だった

・新しい食べ物でお腹を壊して動けなくなった結果、敵に襲われる

このように、生死に直結していたためです。

■移動するリスク

今となっては道は整備されているし、交通手段や交通ルールも発達し、ルート検索なんかも簡単にできるようになったため、遠方へも安全かつ楽に移動できますが、かつては生きるための生活エリアから離れることも、大変危険でした。

・新しい場所に行ったら崖があった

・慣れない道で敵に遭遇した

・水や食料を確保できない環境に迷い込んだ

こうした事態に陥れば、命を落とす可能性は一気に高まります。

地図もなく、情報もなく、仲間から離れてしまえば、助けを呼ぶこともできません。

「ちょっと様子を見てくる」

「少し遠くまで行ってみよう」

といった軽い判断が、致命的な結果を招くこともありました。

そのため、生存において有利だったのは「変化を嫌い、できるだけ同じ生活圏で、同じ行動を繰り返す人」であったと考えられます。そして、私たち現代人は「変化を嫌い、安定を選んだ人たちの子孫」です。

■変化することへのリスク

変わらないことで命が守られた人々の遺伝子が受け継がれ、それが何千年、何万年も先の現代でも生きている。

現代ではもちろん、新しいカフェに行っても獣は出ませんし、そこで勉強しても、命を落とすことはありません。しかし脳の仕組みには、何万年前の環境に最適化された部分が残っているのです。

・読書を始める

・勉強する

・部屋を片づける

・メールを返信する

といったごく日常的な行動に対しても「やりたくない」「めんどくさい」という気持ちが湧き上がってしまうのは、脳が本能的に「変化→危険」と判断した結果。

実はとても自然な流れなのです。

※本稿は、『めんどくさいは、あっていい。「めんどくさい」を活かす究極の方法』(清流出版)の一部を再編集したものです。

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