幼虫を持つ魚介類の増加

ところで今なぜ、アニサキス幼虫を持つ魚介類の種類が増え続けているのか。

2021年にベルギーのゲント大学のアイヤン・グアンたちは、魚から取り出したアニサキス幼虫(前ページ図)を生理食塩水中に入れて、幼虫の運動性と可動性に及ぼす水温の影響を調べた。

その結果、水温が6℃から12℃、さらに22℃に上昇するのに伴って運動性と可動性が次第に増し、22℃で最も高くなることを明らかにしている。

この事実から想定して、クジラやイルカなどの糞と一緒に海水中に放出されたアニサキス卵から孵化した幼虫は、地球温暖化による海面水温の上昇によって、運動性と可動性がより増していると考えられる。