食中毒増加の原因
この結果、より活発に動くようになった幼虫は、海中で目に付きやすくなり、甲殻類などの第1中間宿主にすぐに食べられる。
その後、第1中間宿主の甲殻類は、第2中間宿主の小型の魚介類に、さらに小型魚介類は第3中間宿主の中・大型の魚類に次々と食べられて、幼虫を体内に持つ魚介類の種類が増えていったと思われる。
事実、アニサキスの幼虫を持つ魚介類は、従来のサバやサンマ、アジなどの青魚だけでなく、今は私たちが刺身としてよく食べるマグロやカツオ、キンメダイ、ヒラメ、スズキ、カンパチ、マダイ、ヤリイカなどの魚介類にも広がっている。
こうしたことがアニサキスによる食中毒を増やしていると思われる。
※本稿は、『日本の海から魚が消える-温暖化、IUUの問題から陸上養殖の挑戦まで』(中央公論新社)の一部を再編集したものです。
『日本の海から魚が消える-温暖化、IUUの問題から陸上養殖の挑戦まで』(著:矢野勲/中央公論新社)
多様な生物で溢れていた日本の海が直面する危機に対して、どのような解決策があるのか。
環境改善につながるクジラの保護や世界各国の資源回復の取り組み、さらには著者自身が試みる陸上養殖などから様々な可能性を示す。




