最初のサインは「痛み」だけとは限らない

平井:自分の股関節の状態を知るために、日常で気づけるサインはありますか。

高平:あります。たとえば、立ち上がりや歩き始めに鼡径部(そけいぶ。脚の付け根)が気になる、靴下を履く動作が片側だけしにくい、歩幅が左右で違う、長く歩いたあとに鼡径部や殿部(でんぶ。お尻の部分)が重く感じる、といった変化です。痛みが強くなくても、「以前と違う」「左右差が大きくなった」という感覚は手がかりになります。

平井:硬いと感じたら、まずストレッチで大きく開けばよいのでしょうか。

高平:そこは注意してください。股関節は、無理に大きく動かせばよいわけではありません。特に痛みがある方が、開脚や、股関節を深く曲げる動きを強く繰り返すと、かえって症状を誘発することがあります。日本整形外科学会も、運動療法は痛みを誘発する可能性があるため、慎重に始め、徐々に強度を上げることが重要だとしています。「痛いほど効く」は股関節には当てはまりません。