今日からできる「3分・股関節ケア」
平井:痛みがない方、あるいは強い症状のない方が、日常で始められることはありますか。
高平:難しいことをする必要はありません。私はまず、「小さく動かす」「支える筋肉を使う」「座りっぱなしを減らす」の三つを勧めます。次の運動は、強い痛みがない方が身体を動かすきっかけとして行うものです。痛みが出る場合は中止してください。
① 椅子に座って「骨盤ゆらし」10回
椅子に浅めに座り、両足を床につけます。背中を無理に反らさず、骨盤を小さく前後にゆっくり傾けます。大きく動かす必要はありません。股関節の付け根や腰に痛みが出ない範囲で10回。長時間座った後の「動き始め」に向いています。
② 椅子からの「立ち座り」5回
足を腰幅程度に置き、上体を少し前に傾けながら立ち上がり、ゆっくり座ります。膝関節だけで立つのではなく、股関節から身体を前に運ぶ意識を持ちます。不安な方は机や椅子の肘掛けに手を添えて構いません。5回から始めましょう。
③ 座りっぱなしに気づいたら「1分歩く」
運動の時間を別に確保できなくても、座り続けていることに気づいたら一度立ち、室内を1分程度歩いてみましょう。速く歩く必要はありません。股関節を日常の中でこまめに使うことが目的です。
平井:どれも「頑張って伸ばす」というより、生活の中で無理なく股関節を使う運動ですね。
高平:その通りです。大切なのは、運動した直後に達成感を得るほど負荷をかけることではありません。今日も少し動けた、明日も続けられそうだ、という程度で十分です。身体は一日で変わるものではありませんが、日々の小さな動きは、筋力や動作を保つ土台になります。