動物についての活動を始めるにあたり「さかなクン」をお手本に被り物を作ることにした青木さん
青木さやかさんの好評連載「47歳、おんな、今日のところは「……」として」ーー。青木さんが、47歳の今だからこそ綴れるエッセイ。母との関係についてふれた「大嫌いだった母が遺した、手紙の中身」、ギャンブル依存の頃を赤裸々に告白した「パチンコがやめられない。借金がかさんだ日々」が話題になりました。第8回は「〈YouTuber〉として」です。

パソコンは持たない、と決めたのに

パソコンを持たないまま47年を過ごしてきた。
正確に言うと2度持った。
「パソコンがないとこれからの時代は」との友人からのアドバイスで
「そうね、平成って、そうよね!」となり購入したが、
結局「誰か家にパソコンができる人いないと使い方わからないんですけど」となり、子どもとイヌとネコしかいない生活で、ほとんどパソコンは開かぬまま、後輩にあげてしまった。
2台目のパソコンは、当時海外にいた元夫から、「娘とスカイプをしたい」と頼まれて購入した。しかし、夫が帰国したので必要がなくなり、マネージャーさんに譲った。マネージャーさんは、ワードもエクセルも入っていない、スカイプだけが入っているパソコンに驚いていた。

お笑いのネタはノートに書いてきて、何十冊とある。
昔は同じようにノートに書いていた芸人の友人たちも、久しぶりに会うとノートパソコンを取り出している。
ノートよりノートパソコンがスターバックスにはよく似合う。少し羨ましくもある。

だけど、
「私はもうパソコンは持たない」。
そう決めた。

決めたのに。
私は令和2年に、3度目のパソコン購入に踏み切ることになる。

理由はYouTube開設。

まったく興味がなかった世界である。
娘がたまにみているのを横目でみながら、「この人が話題のヒカキンさんなのね」とか「よくまあYouTuberという人たちは緊張もせずに上手にカメラの前で話せるものだな。これが新しい時代なのかな……」なんて感じていたくらいで、私の生活の中にYouTubeを取り入れるつもりはなかった。

のだが……。

2019年に立ち上げた、「犬と猫とわたし達の人生の楽しみ方」というプロジェクトでは、数カ月に一度イベントをしながら、動物と暮らす幸せな生活を広めつつ、保護犬保護猫の存在を伝えてきた。
しかし、令和2年、自粛生活に入り、イベントは難しくなり、再開の目処は立たず……。だけど動物は生きているわけで「待ったなし! どこかで発信を」となり、話し合った結果……。

YouTube開設となったわけである。