「この役は絶対に健太がやるべきだ」
でもそれは、僕が今の時代に生きているから言えることなんですよね。先日沖縄で仕事があり、ベトナム戦争時代に兵隊さん相手にライブ活動をしていた方にお話をうかがう機会があったのですが、「戦争は人の思考を普通ではなくしてしまうものだ」と言われました。
仲間が目の前で死んでいく状況に順応するには、自分もおかしくなるしかない。だから松永も、苦しさや悲しさを感じながらも、破滅的な生き方を選ぶしかなかったんじゃないか――。今は、そんなふうに解釈しています。
舞台を演出してくださるのは、映画『クローズZERO』でもお世話になった三池崇史監督。実は少し前に、夢に三池監督が出てきたんです。夢の中で「お久しぶりです」と会話をした1週間くらい後に今回のお話をいただいたので、そこでもまた「つながったな」という感覚を味わいました。事務所の社長も、「この役は絶対に健太がやるべきだと、バチーンときた!」と言っていましたね。(笑)
最近ではもう、周囲からこう思われたい、こう見られたいという欲も少なくなりました。余分なものが体にくっついていた頃は、「あれ? 俺ってこんな感じだったっけ?」と違和感を覚えることもあったのですが、今は再び5歳の頃の気持ちよさを味わえている。
いろいろと経験を重ねた後でそんなふうになれるってすごく面白いし、我ながらめちゃめちゃ喜ばしいことだと思っています。
今回の舞台も役にエネルギーを乗っけて、全力で演じきるつもりです。今まで見せたことがない部分も出てくると思うので、ぜひ楽しみにしてください。