カメラやスマホのカメラの機能も進化し、「上手な」写真は誰もが撮れるようになりました。では、そのなかでプロはどのように「人の心を掴む」写真を撮っているのでしょう?
オーストラリアを中心に「地球のポートレイト」をコンセプトとして撮影してきたフォトグラファーの相原正明さん。撮影における心得を記した『光と影の処方箋』(玄光社)から、一部を抜粋する新連載。相原さんが提唱する、被写体を通して心情を表現していく「写心術」とはーー。第3回は「存在感を強調するスクエアの構図」です
オーストラリアを中心に「地球のポートレイト」をコンセプトとして撮影してきたフォトグラファーの相原正明さん。撮影における心得を記した『光と影の処方箋』(玄光社)から、一部を抜粋する新連載。相原さんが提唱する、被写体を通して心情を表現していく「写心術」とはーー。第3回は「存在感を強調するスクエアの構図」です
存在感を強める場合は…
〔 撮り方 〕
タスマニアの冬の高原。南極から吹きつける雪が痛いほど冷たい。その風と雪に逆らうように1本の木が大地に踏ん張っている。
「頑張って生きていますよ」そんな印象だった。その存在感を強く出すためにスクエアの構図を選択。そして吹きつける雪の質感を出すために、やわらかい色でフラットな発色タイプの中判フィルムを選んだ。
また、風が強いのと構図をしっかりとるために三脚を使用して、ぶれずに満足な構図と大伸ばししてもクリアな画質を得た。この場合、被写界深度が深いので、レンズに吹きつける雪の水滴が映らないように注意して撮影している。